

「絵を描くのが好き」。
その延長上にあるのが、アニメーターの仕事。
自分の好きを信じて続ければ、手が届く。
ユーフォーテーブル有限会社
2000年設立のアニメーション制作会社。代表作は劇場版「空の境界」、TVアニメ「Fate/Zero」、アニメ「鬼滅の刃」等。また、ファンが作品を楽しめる場として、カフェやダイニング、映画館を運営。現在、13店舗を、日本、中国、韓国において展開している。

管理部部長
Fateシリーズ制作担当
近藤 亮氏
主に採用、人事、総務等、管理業務全般を担当。また、Fateシリーズなどの制作担当として、作品の進行管理を行っている。

姉妹校卒業生
蓑毛 友里氏
2021年にユーフォーテーブル有限会社に入社。現在、アニメーターとして活躍中。代表作として『鬼滅の刃 無限列車編』などがある。
描くことを続けて、スキルアップすることが大事
採用する際にはどんな点を重視していますか?どんな人がアニメーターに向いていますか?
画力を重視します。絵には、その方の性格や、努力の過程等が顕れますしね。蓑毛さんも、応募頂いた作品のクオリティが高かった、というのがご縁のきっかけでした。学生時代の努力や、これまで積み上げてきたことがきちんと作品に現れていたし、この会社で活躍してくれるイメージもできたので採用を決めました。だから、アニメーターになりたいと思っている人は、たくさん絵を描いて、レベルをアップしておく!それが、まずは大事なんじゃないかと思います。
私は幼い頃から絵を描くのが大好きでした。小学生の頃は友だちと漫画で交換日記をしていましたし、中学生の頃は、机が落書きだらけ(笑)。時間があれば、常に絵を描いていました。でも、その頃は上手になりたいとか、将来アニメーターになることを意識していたわけでなく、純粋に好きで描いていたと思います。
実際、この業界にいる人のほとんどは、幼い頃から「暇さえあれば絵を描いていた」という人です。1日何時間も絵を描くなんて好きでなければ到底できないと思うんです。それができるということ自体がスキルですよね。「大好きな絵を夢中になって描き続けてきた」。その延長上にあるのが、アニメーターという仕事だと思います。だから今、「絵が好きで、いつも描いてばかりいる」という人は、向いている人だと思います。アニメーターを目指すのならばそのことに自信をもって、ぜひ、続けてもらいたいなと思います。続ければ、自然とスキルも磨かれていきますよね。
学校で培ったチームワークは、ふだんの仕事でも生きている
幼い頃から絵が好きだった蓑毛さんですが、アニメーターを目指したのは、いつからですか?

職業として意識したのは、高校を卒業するタイミングです。卒業後の進路を考えていると、「好きなことを仕事にしたい」という気持ちが湧いてきて、専門学校へ行きたいと思いました。絵を描くことと同時に、アニメも大好きだったんです。だから、アニメーターという仕事が気になったのですが、当時は、どんな仕事かよくわかっていませんでした。「アニメをつくる仕事」というくらいのイメージでしたが、学校の説明会に行くと、卒業生たちが、アニメーターとして有名な作品で活躍していることがわかりました。「私もこの学校で学べば先輩たちのように有名な作品に関われるかもしれない!」そんな思いに背中を押され、入学を決めたんです。
アニメーターの仕事は、特別な資格も学歴も必要ありません。だから、専門学校を卒業しないとなれないということは、もちろんありません。ただ、専門学校に行くとみんなでチームになり、作品をつくり上げていく体験もできますよね。ふだんは、一人で黙々と描いている人が多いと思います。でも、実際の仕事の現場はチームワーク。その環境や感覚をひと足先につかむことができるのは、専門学校ならではだと思います。
そうですね。実際にみんなで、毎日学校に残って作品をつくったことは、思い出深いです。みんなで意見を出し合い、協力し合いながら物事を進めていくというのは、楽しかったと同時に、うまく進めるためにはどうすればいいだろうかと、考えたり悩んだりすることもありました。仕事はチームで連携することが、とても大事だと実感しています。そして、当時の経験は、ふだんの仕事でも生かされているんじゃないかなと思います。
それから、同じ業界を目指す友人と一緒に過ごすというのは心の支えになるし、互いを高め合うことができますよね。蓑毛さんは、今の仕事でも、仲間と一緒に働く中で自分自身を高めていくことができているんじゃないかな。それは、専門学校で自然と身に付けたスキルなのではないかと思います。
正解がないからこそ、新しいことにどんどんチャレンジ
数あるアニメ制作会社から、蓑毛さんが、この会社の試験を受けた理由を教えてください。
好きな作品を手掛けている会社だったので、専門学校に入る前から憧れはありましたが、私には手が届かない存在だろうと思っていました。でも、学校で勉強したり、業界のことを知ったりしていくと、ますます「この会社で働きたい」という気持ちは強くなりました。そんな思いにかられ、思い切って採用試験を受けてみたんです。正直なところ自信はありませんでしたが、幸運にも合格をいただくことができました。実際入社してみての印象はというと、すごい集中力が高まった雰囲気と、学校のような和やかな雰囲気。その両方をもつ会社だと思いました。
20代が7割を超えていますから、学校のようなフレッシュな雰囲気はありますよね。でも、基本は黙々と作業をする仕事ですから、意見が飛び交っているとか、熱気にあふれるといった感じとも違います。仕事のときはぐっと集中して、休憩時間は楽しくおしゃべりして。そんなふうに、メリハリがあるのが、いいところだと思います。
私にとってはスキルが高い先輩方が身近にいるというのも、ありがたいです。最近は、動画検査の仕事を少しずつ覚えています。まだ力不足で先輩に頼っている段階ですが、先輩方の仕事を見て学び、早く一人前の仕事ができるよう頑張りたいです。
作品をお客様に喜んでもらえることが、いちばんのやりがい
他の制作会社とは違う、御社の特徴や魅力を教えてください。
グッズを販売したり、コラボカフェを経営していることも弊社の特徴です。アニメを見て終わりではなく、グッズを手に入れたり、コラボカフェに行ったりすれば作品をもっと楽しんでもらえますよね。それに、こういったグッズやカフェを通してお客様の反応も見られるので、気づきもあります。これらの一つ一つが、いい作品をつくるために役立っていきます。やはり作品をお客様が喜んでくれることが、何よりのやりがいですから、喜んでもらうためにはどうすればいいのか、いい作品を作るためにはどうすればいいか。そういったことを基本に、私たちは仕事をしています。
多くの人に喜んでもらえることを実感できるのは、感動するし、とてもうれしいです。それから、私は家族に自分の作品を直接目にしてもらえたことも、うれしかったです。家族は、作品のエンディングにのった私の名前を写真に撮っていました(笑)。改めて振り返ると、思い切って、採用試験に応募してよかったなと思います。もし、あのときに諦めていたら、今この会社で仕事をしていないですから…。だから、この業界に興味がある人は「自分は無理」とは思わず、やりたい仕事、働きたい会社に、ぜひ、挑戦してほしいです。